賃貸住宅選びのコツ – 室内編

バンコクで住居探し – 室内のチェックポイント

物件の立地と建物と部屋の位置などを確認した後は室内の確認に移りましょう。ちなみに長期間暮らす場合の要点として、照明(往々にして暗すぎる場合があります)や水周りなどの追加・修正を依頼して受けてくれるオーナーかどうか、というのは重要です。短時間の確認では中々細かい不備はわからないので後からでも対応してもらえるかどうかは必ず確認しておきましょう。

室内の設備やサービス

まず始めに部屋数と広さが実際の利用に合うかどうかまず確認しましょう。
タイの建物の間取りは日本の間取りよりもかなり広くなっています。また1990年代に乱造されたコンドミニアムなどでは西洋人向けに3ベッドルームの部屋が多くあります。(+メイド部屋まである)そのような部屋では子供がいればともかく夫婦二人では広すぎるので考え物でしょう。なお社用としては3ベッドルームを借り切って社員3人にそれぞれ寝室をあてがって共同生活をさせる、といった工夫をしている会社もあります。

その他にも以下の点に注意しながら室内をチェックしてみてください

室内装飾

部屋ごとにオーナーが異なる貸しコンドミニアムの場合、部屋のオーナーの趣味で室内の装飾が大きく変わることもしばしば。また間取りもオーナーによって変えている場合もある(タイの建物の壁の構造は簡単なので変更も容易だったりします)ので好みの部屋を探しましょう。
特に注意が必要なのは部屋の照明で、西洋人を念頭に間接照明で暗い部屋になっているケースがまだまだあります。オーナーとの交渉で蛍光灯の追加などをしてもらえるケースもありますので確認してみてください。

家具付き物件

アパート、コンドミニアムともある程度の家具は部屋に付属しているのが普通です。ある程度、というのはベッド、食卓、椅子、化粧台、洋服ダンス、台所の設備、冷蔵庫、洗濯機など、です。家具が充実していればしているほど自身の投資が抑えられるので他の部屋と比較してみましょう。なお契約の際にこうした貸与家具の名称・数量そして価値なども記載されているのでよく確認してください。まれに家具や木材の部分がシロアリにやられる場合があります(高層階でも例有り)。木製家具が使われていれば必ず開けて中まで確認してましょう。

バス・キッチン

日本人としては重要なことに「浴室」の問題があります。タイ人はバスタブにつかる習慣が無く、西洋人でも熱いお湯をつかう習慣が無いため、浴室にシャワーブースしかなくバスタブがない場合があります。またバスタブがあっても温水器が貧弱で熱いお湯が出ない場合もあるので実見の際に出来れば少しでいいのでお湯をためさせてもらうと良いでしょう。生ぬるいお湯しか使えない風呂は日本人としてはストレスがたまります。

奥様が一緒に住む場合、台所の作りは要チェック。
流しが小さすぎて洗い物に困ったり、キッチンの作り自体が西洋人向けで「大きすぎ」たり「高すぎたり」する場合があります。

テレビ受信

最近はどこのアパート、コンドミニアムも「ケーブルテレビ対応」を謳っています。ケーブルテレビが入っていればタイの番組だけではなく洋画チャンネルやスポーツチャンネル、アニメチャンネルなども見ることが出来ます。ただし、日本語のNHKを見ようと思った場合はケーブルテレビの「NHKワールド“プレミアム”」のサービスに加入していないと見れないので注意が必要です。(通常の「NHKワールド」では英語放送)「NHKワールドプレミアム」の追加をオーナーに依頼した場合追加料金を請求される場合があります。(ケーブルテレビ会社とは別途の契約と追加の費用支払いが発生するのは間違いありません。)

インターネット接続・電話線

インターネットについてはオーナーによってADSL(ただしタイのものは実際の接続速度はそんなに速くないです)やWiFiによるインターネット接続ができるところが増えています。日常の情報収集やコミュニケーションを考えた場合はこれは必要でしょう。

電話については直通の場合と内線の場合の2種類があります。主にアパートの場合は内線がありえます。コンドミニアムの場合は部屋のオーナーがそれぞれ契約しているのが普通なので直通が普通です。これは管理者に確認してください。

建物敷地内のファシリティー

タイのある程度の規模のアパート、コンドミニアムになると日本では考えられないような設備が用意されている場合もあります。
大型の建物になるとプール、機材の整ったフィットネスジム、さらにはテニスコートまであるところもあります。タイでの勤務生活では車による移動が多くなり運動不足になりがちですのでこういった運動設備を有効に使って運度不足の解消を行いたいところです。
家族同伴の場合は子供が遊べるような場所があるかどうか、というのもチェックポイント。アパートによっては緑のエリアに子供用の器具を置いてるところもあります。

店舗

スクンビットエリアの建物だと1階に食堂やバーなどの店舗が入っている場合も多くあります。休日にのんびりすごしたい場合や雨季に雨に降られて外出しにくいときに同じ建物・敷地内にご飯を食べることが出来るところがあるのは非常に便利です。

安めのアパートなどにも広く設置されているのがミニマート。小さな雑貨屋ですね。これがあれば簡単な飲み物、日常雑貨(歯磨き粉、石鹸、洗剤など)がすぐに入手できるので楽です。ない場合は近くにコンビニエンスストア(セブンイレブンやファミリーマートなど)があるかどうか確認しましょう。纏め買いはスーパーに行ったほうがいいですが、こまごまとしたものは近所で手に入れられるのが一番です。

その他、契約時のチェックポイント

良い物件を見つけた後はいよいよ契約ですが、契約書にはむやみにサインをせずに、きちんと内容を確認することが大切です。
契約書は通常外国人相手だと英語の契約書を用いることが多いのですが、多くの日本人はタイ語はもちろん英語でも苦手な方が多いと思うので契約に際しては(会社勤めの方であれば)英語の分かるタイ人スタッフに内容を確認してもらうのがよいでしょう。個人で契約する場合はご自身できちんと内容を確認しましょう。特に以下の点においてどのように明記されているかを確認しましょう。

保証金について

日本では敷金・礼金という風習がありますが、タイでは「保証金」という形で契約時に支払いを請求されます。通常保証金は部屋代の2ヶ月分程度で、これは解約する際にオーナーが部屋や家具類を確認して問題が無ければ返金されます。部屋の修復に費用がかかるような場合はここから差し引かれます。

契約期間

契約の期間はタイでは「最低6ヶ月」というのが一般的。6ヶ月の期間満了以降解約する場合は「1ヶ月の事前宣告」が必要な場合がほとんどです。まれに事前宣告期間が2、3ヶ月と長いケースがあるので注意しましょう。

光熱費の支払い等

光熱費や電話代についてはオーナーによって金額がけっこう変わります。ユニットあたりの金額が月の請求額に大きく関わってきますのでつきの借り賃としては光熱電話代もあわせたトータルで損得を考えるようにしましょう。またインターネットの利用料金を別途請求するところが多いのでこれも契約前に確認しましょう。

実際の家賃の支払方法についても確認しましょう。昔は「現金か小切手」での支払いを要求されることが多かったのですが現在は1)銀行口座への振込み、2)クレジットカードでの支払い、3)デビッドカードでの支払い、といった形が増えています。3)のデビッドカードは銀行の発行するATMカードで、口座にある資金からクレジットカード同様のシステムを通して即支払いができる、というカードです。

家賃を支払う元の名義ですが、駐在員の場合は以前は会社名義で小切手で支払うケースも多かったのですが後年税務の問題で家賃も給与所得と合わせて会社から従業員個人に支払い、従業員が個人として部屋のオーナーに支払う、という形に変わってきています。その点も自分の会社とどのようにするのか、そしてオーナーがその支払い法に対応しているかなどを確認しましょう。

 


契約期間でも分かるように一度居を定めれば少なくとも一定期間は付き合い続けなければいけないので物件は納得が行くまでご自身の目で確認して選ぶようにしましょう。

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