バンコクで運転する

verkehr in bangkokタイに駐在すると現地では「日本人の運転は禁止」とされているところが多くあります。その最大の理由は「もし事故を起こした場合に相手や保険会社の人間とのやり取り-当然タイ語になります-が出来ない。」という問題でしょう。他にも「交通ルールやマナーが日本と違うので運転が難しい。」「運転手は会社がつけるので自身での運転は不要」といった理由もあるでしょう。しかし運転が禁止されていない会社や現地採用、自営業の方なら車を運転して自由に動きたい、という欲求もあるでしょう。ここではタイの交通事情特にマナーと自分で運転する際の免許(国際免許やタイの免許取得)について書いていきます。

バンコクの交通ルールとタイ人のマナー

タイは基本としては車は左側通行で日本と同じですのでその点についての違和感は日本人にはないと思います。特異な面としては交差点での左折が原則自由であり信号の影響を受けない(場合によってはT字路の直線方面も同様)ことがあります。写真のような標識がほとんどの交差点手前にあります。

タイで実際に車を運転してみると、「タイの運転手は車間距離をほとんどとらない」ということに気づきます。このため日本のように車間を空けると横から他の車に入られてしまいます。これは高速道路でも同様です。運転中にはオートバイにも注意が必要で、曲がるときや車線変更に際しては車の間を縫うように走るオートバイに気をつける必要があります。横道からの進入でも「譲り合いの精神」はあまりなく「車の先端を突っ込んで相手を止めたものの勝ち」というのが普通のため、日本で運転するよりもかなり神経を使います。その他にも道路の右端の車線でUターンが行われたりとか、交差点の1方向ずつ車を通すため信号の待ち時間が長い、などといった特徴があります。

タイでは日本ほど飲酒運転や制限速度オーバーに対する警察のチェックが厳しくないのですが以前よりはチェックも行われるようになっています。また道路の右側に黄色い線が引いてある場所は一番右側は「追い越し専用車線」となっており、都市部で特に渋滞時などは意味がなくなりますが地方に向かうスピードを出せる道路では、ずっと右側を走っていると警察の検問にあって止められることがあります。
スピード違反や追い越し車線違反で止められた場合は警官が運転免許証を預かり反則金支払いの指示書を渡しますので所定の警察署に出頭の上罰金を払って運転免許を返してもらうことになります。以前にくらべて警官個人がその場で現金を受け取る場面は減っています。

運転免許

タイで車を運転するにはタイでも通用する運転免許証の携帯が必要になります。タイ国内で運転するには以下のいずれかが必要になります。
1)日本で発行された国際運転免許証
2)タイで発行された運転免許証

国際運転免許

日本、タイとも1949年にジュネーブで締結された道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)の加盟国なので日本で発行された国際運転免許証があればタイ国内での運転が可能です。国際運転免許証は各地の運転免許センター・運転免許試験場、警察署の運転免許課で発行しています。

申請に必要な書類

必要書類は各県によって異なる場合があるので申請前に必ず申請する予定の運転免許試験場か管轄の警察署に確認してください。東京府中の運転免許試験場の例であれば、申請に必要な書類は以下の通り。

-現在所有している運転免許証
-写真(縦5センチ横4センチ。6ヶ月以内に撮影したもの)
-パスポートなど海外渡航を証明するもの
-古い国際免許証を持っている場合はその免許証も持参のこと
-手数料2650円

国際免許証の発行手続き自体は短時間で終わります。海外で運転できる車種はお持ちの運転免許証の運転可能車種に相当します。普通運転免許証(附普通二輪免許)であれば海外でも「二輪の自動車」「乗用に供され、運転者席のほかに8人分をこえない座席を有する自動車」などが運転できます。

タイでの運転免許取得

日本の国際免許証がない場合、タイ国内にて1)新規に運転免許証を取得する、2)日本の運転免許証をタイの免許証に書き換える、という形でタイの免許証を取得することが出来ます。申請はバンコク市内では北部のモーチットか東部のスクンビットソイ99と101の間にある運輸省陸運局の所領登録事務所で行います。なお観光ビザでは免許証の取得はできませんのでご注意ください。申請後に新規に免許を手と来る方の場合は実技と筆記の試験を受けます。実技試験の車両は試験場のものでも持ち込みでも可です。日本の運転免許証や国際免許証からタイの運転免許に書き換える場合は学科・実技試験は免除されます。

申請に必要な書類

申請に必要な書類は以下の通りです。ただし書類の種類、試験の方法など変更される場合があるので申請前に陸運局に確認することをお勧めします。

新規検挙取得に必要な書類

① 申請書(試験場備え付けのもの)
② パスポートとそのコピー(写真のあるページと最新VISA、入国スタンプのあるページ)
③ 写真(1インチサイズ)2枚
④ 英文の在留証明書(日本大使館領事部で発行してもらいます。在留届がすでに提出されている必要があります。)
⑤ 健康診断書(最寄の病院・クリニックのもので可。「運転免許申請のため」といって作成してもらいましょう)
⑥ 手数料:二輪免許は55バーツ、四輪免許は105バーツ

日本の「運転免許」から切り替える場合

-上記の①~⑥
-運転免許証抜粋証明書(日本大使館領事部発行)
-日本の運転免許証とそのコピー

日本の「国際免許証」から切り替える場合

-上記の①~⑥
-国際免許証とそのコピー

自動車保険

bangkok_trafficタイでは自動車・オートバイは強制保険への加入が義務付けられています。強制保険では契約者と相手車両の搭乗者に対する治療費と死亡保険金が支払われるのみで物的損害については保険は効きません。このため通常は合わせて損害保険会社の販売する任意保険に加入する必要があります。任意の自動車保険は主として3種類に分かれており、第1種(自分の車の損害・窃盗、相手の車の損害、人身被害、設備などの被害すべてカバー)、第2種(第1種から自分の車の事故被害補償を除く)、第3種(事故の相手側への人的物的補償のみ)と分かれています。しかし最近は各社が新商品を開発し、近距離の通勤・通学にしか使わない車に対して安価に提供する保険など商品の種類は増えつつあります。
タイでは日本の大手保険会社が現地法人を設けて営業しています。具体的な保険の内容についてはそれぞれの会社に確認してみましょう。

東京海上日動火災保険(Tokyo Marine Sri Muang Insurance )
電話番号:0-2-686-8889 (日本語可)
ホームページ:http://www.srimuang.co.th (タイ語・英語)

三井住友海上火災保険(Mitsui Sumitomo Insurance)
電話番号:0-2679-6165~87 (日本語可)
ホームページ:http://www.ms-ins.co.th/ (タイ語・英語)

損害保険ジャパン(Sompo Japan Insurance (Thailand))
電話番号:0-2636-2333
ホームページ:http://www.sompojapanthai.com/

上記のほかにニッセイ同和損害保険、あいおい損害保険、日本興亜損害保険などがタイで保険の販売やブローカー業務を行っています。

タイで自動車事故を起こしたら

自分で運転をしていて事故を起こした場合、基本は事故現場をそのまま維持した上で登録している保険会社に連絡しましょう。(他の車両の通行の邪魔になるような場合は路肩に移動します。)事故の際の連絡先は保険会社からもらって車両に貼ったステッカーに電話番号が書いてあり365日、24時間対応しています。人身事故であれば警察(191)か郊外の大通りであればハイウェイポリス(1193)にも電話しましょう。各損害保険会社は各地に調査員を置いており、電話をすると調査員が現場に駆けつけ、事故の際の状況・被害を確認、相手側も任意保険に加入していれば双方の保険会社調査員が内容の確認をします。この際の調査員への説明は通常タイ語で行う必要があります。うまく話が出来ないと自身が不利な立場に置かれかなません。(相手側の言い分しか内容がわからないため)このため日系各社では日本人による運転を禁止するわけです。こういう事情のためタイ語できちんと説明できる方か、タイ人同乗者がいる方でないと運転はお勧めできません。なお事故を起こしこちら側が損害を受けたのに相手側が強制保険にしか加入していない場合、物的損害については保険が適用されないため損害金額は示談で相手側との交渉となります。

自分で車を運転できれば行動範囲が広がり新しいタイの発見につながり非常に便利ではありますが、常に安全な運転を心がけ事故の無いよう、自己責任の上で運転するのだということを肝に銘じることを忘れないで下さい。

 

 

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BTS スカイトレイン・ガイド

スカイトレインとは?

スカイトレインはタイの首都であるバンコクの主要交通機関のうちの一つです。英語ですとBangkok (Mass) Transit System といい、それのイニシャルをとってBTSとも表記されます。 このBTSは「バンコク(大衆)輸送システム」という意味です。地下鉄であるバンコクメトロ(MRT)に対して、BTSは高架鉄道であり、見た目的には東京のお台場周辺を走る「ゆりかもめ」のよう鉄道です。またしかれているレールはモノレールではなく、日本のJRのような通常軌道です。

高架鉄道

路面を走るのではなく高架になっているため、駅も高い位置にあり階段やエスカレーターを使ってプラットホームに上がります。また、その駅自体が主要なビルとも繋がっている場合があります。

二大路線

このスカイトレイン(BTS)には二本の路線があります。 スクンビット線はバンコク市内の北部モーチットから東部のオンヌットまでを運行します。 シーロム線は市内南部のチャオプラヤ河沿いのサパーン・ タクシンからナショナルスタジアムまでを運行します。 この二線はセントラル・ステーションとよばれるサイアム駅で接続しています。路線別にプラットホームが上下階にあり、それぞれ乗り継ぎが出来ます。スカイトレイン同士の乗り換えはもちろん、バンコクメトロを始めその他の鉄道とも乗り入れをしている駅があり、そこで乗り換えができます。詳しくは各駅ガイドをごらんください。
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バンコク市内の移動手段

バンコク市内の上手な移動の仕方

バンコクに住むようになって色々用を足すために出かける際にどのような交通機関をつかって行けばよいのか?
今回はあなたが住むアパート/コンドミニアムからバンコク市内に買い物にでかける流れをシミュレーションの形で追ってみましょう。こうすることでより身近に感じていただければと思います。

モータサイ(バイクタクシー)あるいはシーロー/スバル

IMG_0568-XL_Fotorスクンビット通り近くのアパートやコンドミニアムであればあなたが昼間どこかに出かけようとしても建物の前にタイ語で「モータサイ(英語の「Motorcycleからの転訛」)」と呼ばれるバイクタクシーや「シーロー(四つのタイヤの意味)」や「スバル(昔はタイでポピュラーだったらしい)」と呼ばれる軽自動車のタクシーが待っているでしょう。
ソイ(大通りから入った脇道)の中から大通りに出るまでや、裏道を通ってフジスーパーマーケットに買い物に行くなどであればこれらの交通機関で物足ります。こういった用途であれば相場は決まっているので同じアパートの住人や管理人などにあらかじめ相場を聞いておくとよいでしょう。(例えば最近はソイトンロー(スクンビット・ソイ55)からソイ33/1のフジスーパーまで60B(約170円)くらい)

バイクタクシーに乗る際は女性であれば横すわりの形で乗ることになりますが、その場合は通り抜ける車や壁にぶつかるような事故の無い様気をつけましょう。またバイクタクシーの運転手らの中には日本人女性を「性」のターゲットとして狙っている向きもあるので甘い言葉には注意が必要です。

高架鉄道BTS(スカイトレイン)

DSC00908-X2_Fotorあなたがこれからエンポリアム(バンコクでも最高級のデパート)、サイアムスクエアー(若向けのショッピングエリア)、ウィークエンドマーケット(毎週土日にオープンする有名雑貨市)に出かけるのであればシーローや徒歩などでBTSの駅に向かいましょう。BTSは高架の上を通っていますがれっきとした鉄道でモノレールではありません。その沿線は現在東はスクンビットのソイ77に近いオンヌッ駅から北はウィークエンドマーケットに隣接したモチッ駅まで。西はMBK(マーブンクロンセンター、有名雑貨コンプレックス)に繋がるサナームキラヘンチャーッ(国立競技場)駅、南西はシーロム通りを通過してチャオプラヤー川を渡り、英語でビッグサークルと呼ばれるウォンウェンヤイ駅にまで繋がっています。

その沿線の多くは日本人を含む外国人の行動範囲になっており、ブランド品を買いにデパートへ行くならばプロンポン駅のエンポリアムやサイアム駅に隣接したサイアムパラゴン(バンコク最大のショッピングコンプレックス)へ。タニヤ通りやパッポン通りに夜遊びに行くならシーロム線のサラデーン駅まで、長距離バスに乗ってパタヤなどに遊びに行くならエカマイ駅で降りて東バスターミナルへ、チャオプラヤー川の夜景を楽しむディナークルーズを楽しみたければシーロム線に乗ってサパーンクワーイ駅まで、交通渋滞を気にせず移動できます。

現在初乗りが15バーツで最高40バーツ。券売機でカード型のチケットを買うのですがこの券売機は硬貨しか使えないので足りなければ窓口で札から硬貨へ両替しなければいけないのは不便なところです。通勤・通学に使うのであれば30回乗りのパスを購入すれば約半額になります。(ただし有効期間が1ヶ月)

地下鉄MRT(バンコクメトロ)

BTSだけでは路線が少ないのでカバーが出来ない場所が多くあります。それをカバーするにはさらに地下鉄MRTに乗り継いで見ましょう。MRTは現在1路線しかないのですがバンコクを南から北に縦断するように走っています。BTSから地下鉄への乗り継ぎはBTSアソーク駅からMRTスクンビット駅、BTSサラデーン駅からMRTシーロム駅、BTSモチット駅からMRTチャトチャック駅の3箇所があります。

ラチャダピセークにある商業コンプレックス、エスプラナードへ行くならばスクンビット駅で乗り換えてタイカルチャーセンター駅まで、あなたが男性でラチャダーの夜を楽しみたいというのであればさらにその先のスティサーンやホワイクワーンまで行きましょう。まぶしいネオンの列があなたを待っています。
タイシルクの有名ブランド、ジム・トンプソンのバーゲンセールが行われるクイーンシリキットセンターへ向かうのであればスクンビット駅から1駅でクイーンシリキットセンター駅に着きます。ムエタイの試合を見るためにルンピニー・スタジアムへ行くのであればルンピニー駅の出口からすぐ傍です。国鉄にのって地方に行くのであれば地下鉄の終点駅ホアランポーンまで行きましょう。MRTの開通で随分便利になった場所はいくらもあります。

メータータクシー/トゥクトゥク

tuk-tuk行き先が運良くBTSの近くにあるとは限りません。例えば観光客だけでなく最近はタイ地元の若者にもファッション街として人気のカオサン通りなどは電車とは縁もゆかりも無いエリア。こういう場所に行こうとするとタクシーの助けを借りなければならなくなります。タクシーにはメーター付きタクシー、メーター無しタクシー(今はほとんど見かけません)、トゥクトゥク(3輪タクシー)があります。

お勧めはメータータクシーです。理由はただひとつ「値段交渉が不要なため」。トゥクトゥクにはメーターは付いていないので運転手に行き先を述べた後必ず値段の確認・交渉が必要です。メータータクシーであれば行き先を告げれば価格は前に付けられたメーターで確認していけば良いのです。ただし運転手の中には地方から出てきたばかりでバンコクの地理に不案内な運転手がいたりしますので道中は外の風景を見ながら確認しましょう。

日本では高いイメージが定着しているタクシーですがタイでは初乗りが35バーツ(約100円)で以降400メートルごとに2バーツずつアップするので市内であればどこでも(余程の渋滞にでもあわない限り)200バーツ(約600円弱)未満で移動可能ですので日常の足として使うことも可能です。

バス(上級者向け)

バスは通常行き先表示はタイ語で書いてあり、どの番号がどこに行くかということが分からないと使えないバンコク生活上級者向けの乗り物でした。しかし最近は日本人でもガイドブックを見ながらバスに乗る人も見るようになりました。現在は「バンコク バス路線ガイド」のような日本語の案内もあるので昔よりは利用しやすくなったようです。利用できれば一番安い移動手段ですから経済的には助かります。しかし、大きな問題点はむしろ「時刻表がない」ことでしょう。市内の渋滞で「移動時間がどれくらいかかるかわからない」という以上に乗りたい番号のバスが「何時来るかわからない」のが大問題。そのようなことがあるので通常タクシーで1時間でいけるところであれば少なくとも倍の2時間はみないといけないということになります。中々コストと利便のトレードオフから抜けることは出来ません。

バスにはエアコン無しバスとエアコン付きのバスがあり、市内であればエアコン無しバスは定額で6.5バーツ、7バーツ、8バーツの3種類があります。エアコンバスの場合は乗る距離によって価格が変わりますが初乗りは8バーツくらいです。降りる場所良く分からない場合も車掌(料金の回収のために必ず乗っています)に行き先を告げておけば着いたところで教えてくれるので遠慮せずに話しかけてみましょう。

各交通機関の使いこなしに慣れれば慣れるほどあなたのバンコクライフの行動範囲が広くなります。タイ語の練習にもなりますので思い切って外に出て見ましょう。

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