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タイ、バンコクを選ぶ理由

なぜ日本人はタイ、バンコクを選ぶのでしょう?

古くは1960年代から今にわたるまで、日本から観光客はもとより、多くの日系企業そして多くの現地滞在者を惹きつけてやまないタイ王国、そしてその首都バンコク。すでにタイ国内の日本人のコミュニティーは小規模な仲間内の集団に留まらない規模までに膨れ上がっています。何故これだけ多くの日本人、企業がタイに惹きつけられるのでしょうか?その理由としては以下のような要素が挙げられます。

(1)政治経済が安定している

タイではかれこれ1960年代には日系企業の進出が始まっており(トヨタ自動車タイランドの設立が1960年、タイ矢崎電線が1962年、日本発条(泰国)が1963年。当時が最初の進出ラッシュ)その後も断続的に進出ブームが起こり、現在ではタイ国内の日系企業は優に2000社を超えるまでの規模になっています。

これほどまでの企業進出の背景には「政治が安定している」という大前提がありました。タイは東南アジアの中では唯一西欧諸国の植民地支配を免れ、1872年からの王制が形を変えながらも継続されてきた、というのは大きな要因のひとつでしょう。
他のベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、インドネシアでは社会・共産主義国家の設立や軍部独裁の成立その後の戦争や騒乱などで安定を見るには時間がかかりました。この点タイは戦前からのピブンソンクラーム政権以降軍部が主導した政権が続きましたが試行錯誤を加えながらも民政への移行を行い、数次のクーデターによる軌道修正などもありましたが大きな混乱を迎えることなく現在に至っています。

特に重要な転機だったのが「開発独裁」を推進し、なおかつ「国王の象徴化」を推し進めたサリット首相(任期1959~1963)の政策とそれを原則継承し、「国王の権威」を保ちながらその下で民生への移管を図る努力を続けてきたプレム元首相(現枢密院議長、首相任期 1980~1988)の力が大きいでしょう。「開発独裁」政治はアジアなど旧植民地で広く行われ、タイの隣国であるマレーシアやシンガポールでも1党独裁による政治がいまだに継承されています。しかしタイのように軍部独裁から議会制民主主義(若干制限はありますが)への意向をスムースに行ってきた国は欧米日の先進諸国をのぞけば非常に稀有な存在でしょう。それを可能にしてきたのは「作られた国王の権威」に収まらずご自身の才覚と努力で軍と政治、そして民衆の上に「実質を伴った国の象徴」となったプミポン現国王陛下の力によるものが大きいのです。

政権交代や軍のクーデターにも関わらず国王への絶大な信任がもたらした政治の安定はその間の経済の安定的発展を招き、ASEANでも有数の経済大国へと成長を遂げました。こうした背景が事業の継続的な発展を望む日系企業のメガネにかない、多くの企業を受け入れ、それに伴って滞在する日本人の増加とそのマーケットに対する各種のサービスの充実を生んできた、といえるでしょう。

(2) 社会の基本インフラが整備されている

(1) で述べた政治的安定は国内のインフラストラクチャー(電力、水道、交通網など)の斬新的な、しかし継続的な整備の後押しをしてきました。政権は変わっても「国の骨格を整備する」という大方針が維持されてきたためです。このため現在では停電も少なく、電話回線は固定、携帯そしてインターネットを含めて充実し、生活用水に不自由なく暮らすことの出来る上下水道網も整備され、さらには直近のバンコク首都圏内や郊外に向かう高速道路網の整備拡張、首都圏における電車(高架鉄道BTS、地下鉄MRT)の設置など暮らしはさらに便利になりました。また学校教育も充実し、就学率も向上、大学も各地に設置され次々と新しい人材を世に送り出しています。これらのことは当然のことながらタイに滞在する日本人にも便利な生活を提供しています。以前に比べて遠方への出勤時間も短縮され、洪水に悩まされることも減り、携帯電話でインターネットに接続して最新情報を得ることも出来る社会になってい ます。

(3) 日本と比較して物価が安い

こうした発展の一方、その発展度自体ではシンガポールなどに劣ることもあって人件費はまだまだ安いこと(中国やベトナムに比べれば高いですが)。さらにそれを配慮した政策もあって燃料価格などが意図的に抑えられている効果もあり、日本に比べればはるかに安い物価がキープされています。日本との物価の差はモノやサービスで比較してみて幅はありますが概ね3分の1から5分の1の間でしょうか。大学卒の初任給が日本円換算で5万円程度。安いワンルームのアパートで部屋代が月に1万円から1万2千円程度。それに比べると一膳飯屋のご飯(日本の定食に相当)は75円程度とかなり割安。このため定年退職後の日々をタイで過ごす「リタイアメントビザ」で滞在を計画する方たちも増えているわけです。

ただし注意が必要なのは「日本と同程度の生活をしようとしたらかなり高くつく」という点ですね。この視点を忘れてはいけないと思います。駐在員用などに提供されているアパートや貸しコンドミニアムの賃料は月12万円から18万円台も珍しくありません。また日本料理屋でラーメンを食べれば一杯450円から600円近くは払うことになります。こちらで自炊するのに調味料を日本のブランドに限れば売ってはいますが輸入品ですので当然日本より高くつきます。いくらモノが豊富にあっても「日本と同等の生活」を維持しようとしたら相応に費用が余計にかかることは頭に入れておきましょう。

(4) 日本人既居住者が多く日本人向けの環境が充実

タイには上で書いたように日系企業が多く進出することで、駐在員のみならずその家族も多くがタイに滞在しています。また北部の山岳地帯や南部のプーケット等、東部のパタヤまど観光名所の多いタイでは日本人の観光客も多く訪れます。このため日本人向けのサービスも充実しており、レストランも日本人経営の店が多く、中には日本の大手定食チェーンが進出したり、ラーメンにいたっては日本の専門店チェーンも多く進出するようにまでなりました。こういった店は当然のように日本語のメニューを用意してあります。昔はより日本の食材の充実していたシンガポールに食料品の買出しに行く人もいましたが、今ではフジスーパーや伊勢丹の、エンポリアムのスーパーマーケットなどで大抵のものは購入できます。多くの大手病院では日本人の通訳を置いたり、中には日本人専門の窓口を設ける病院もあるなど言葉に苦労せずとも暮らしていける場面が着実に増えてきています。

こういった動きを背景に「ハロータイランド」のような日本人のための電話帳なども発行され、さらには在住日本人のネットワークの中から各種のフリーコピー紙が生まれ、「タイ在住者によるタイ在住者のためのガイドブック」なども生まれています。このためバンコクは日本人が生活がしやすい世界有数の都市となっています。世界一日本人が暮らしやすい外国の都市かもしれません。

(5) 日本人にフレンドリーな国民性

欧米やアジアのほかの国に比べ、日本人とタイ人の間ではいくつかの共通項が存在します。ひとつは人種的なもので、タイを訪れると分かりますがタイ人には華僑の血を引く人も多いため一見して日本人と判別がつかない顔つきの人も多くいます。また日本と同じ(実際は大きな宗派の部分で異なりますが)「仏教徒」が多いということもマレーシアやインドネシアなどイスラム教圏の国とは一線を画しています。そして古くは第2次世界大戦前から日本もタイ同様に独立を保ち、有形無形の形で支えあってきた過去があります。さらに現在ではアジアの中では日本は一頭地を抜けた先進国であるがためにタイ人にとっては「憧れの国」となっています。(若者のファッションも日本のファッションの後追いをしています)そのようなこともあって基本的にはタイ人は日本人には概ね友好的に接してくれます。日本からの輸出品に市場が席巻された1960年代こそ日本製品排斥運動のような運動が起こりましたがその後はむしろ先に書いた「憧れ」の部分が大きくなっているように思われます。また現実的かつ重要な要因ですが多くの日本人は普通のタイ人よりもお金を持っている、ということももちろん態度に表れてきます。こうした色々な要因もありますがタイ国民から日本人に対して友好的に接してくれる空気があるのは間違いなく、これがタイで暮らしていくのに重要な要素に成っていることも間違いありません。

以上に述べた要素を総合しても、アジアの中で政治経済的に他国と比較して安定してきた歴史を誇り、民族・宗教的に近く、住環境などが整備され、すでに多くの日本人向けサービスが充実しているタイ王国、特にその首都バンコクというのは日本人を惹きつけてやまない魅力を有しているといえるでしょう。

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タイでの生活 - 基本知識

タイでの生活の基本と知恵

簡単なタイでの生活のまとめです。初めにお読みください。

王室

タイは1782年からラタナコシン王朝によって国が治められており、現在の国王陛下は9代目(即位:1946年)です。一般に「ラマ9世王陛下」と呼びます。現国王陛下はタイ国民から絶大な支持を受けており、映画館などで映画の始まる前に「国王賛歌」が流れますのでその際は起立して静聴しましょう。なおタイは国王陛下および王室ご一族に対する「不敬罪」が存在する国ですので公共の場での王室ご一家の批判は禁句です。

名前

タイ人は基本はファーストネームで呼び合います。また日本語で「さん」をつけるように「クン」を名前の前に付けます。(例:クン・タロー)少し親しくなればお互いのニックネーム(タイ語で「チュー・レン」)で呼び合います。この「チュー・レン」は日本語言うニックネームとは意味合いが異なり、本来は宗教上(精霊信仰)の理由から親が生まれた子供につけるものです。

タイ公用語

タイ人が話す言葉はタイの公用語であるタイ語です。しかしタイ語には大まかに分けても中部、北部、南部、東北部の方言があり、特に東北部の方言はラオスの影響を強く受けており独特です。ただし地方の人でも基本的な標準語教育を受けていることも多く、普通に標準のタイ語で話しかけても問題はありません。

英語

タイでは上の階級の人ほど留学経験も多く英語を流暢に使いますし、街中で英語で話しかけても日本よりは通じるでしょう(ただしバンコク市内)。繁華街や観光地のタイ人には英語はもちろん片言の日本語を話せる人も多くいます。ただし日本語で話しかけてくる人には裏がある(主に店への呼び込み)ことが多いので注意が必要です。

道徳

タイでは年長者に対しては敬意をもって接する意識を皆がきちんと持っています。日本人は会社では若くても立場上地位が上になることが多いのですがこの意識を理解しないと思わぬ反発を招くこともありえるので注意しましょう。また会議で上司いる前で積極的に発言が無い場合もタイ人スタッフのこの意識が邪魔になっていることが多いので、率直な発言が出来る環境を整えてあげる必要があります。

お金

タイの通貨単位はバーツですが、その下の単位サタンもまだ使われています。(100サタン=1バーツ)実際に流通している貨幣は硬貨では25サタン(1サルンともいう)、50サタン(2サルンともいう)、1バーツ、2バーツ、5バーツ、10バーツ。新2バーツ硬貨は黄金色をしているので判別が付きますが、旧2バーツ硬貨は1バーツ硬貨と同じ色でサイズが少し違うだけなので注意が必要です。紙幣では10バーツ、20バーツ、50バーツ、100バーツ、500バーツ、1000バーツ札が流通していますが10バーツ硬貨が流通してから10バーツ札はほとんど見なくなりました。

挨拶

タイでの挨拶は「サワディー・クラップ(女性の場合は後半が「カー」と異なります)」。朝昼晩ともこれでOKです。挨拶をする際に手を合わせる「ワイ」は基本は目下の人から目上の人に対して行い、目上の人が返します。目下の人は合わせる手の位置を高めに、目上の人は手の位置を低めにするのが基本。ただし日本人のように朝会ったら必ず挨拶をする、という習慣はないので違和感があるかもしれません。(日系企業ではきちんとこの挨拶を教育している会社が多いです)

祝祭日

日本からタイに出向された場合などは実働日数が増える場合があります。タイでは規定の祝祭日が最低15日と少なく、また習慣的に年始年末の休みが少なく、さらにお盆休暇のような習慣が無いからです。タイで通常一番長い法定の休みはタイ正月(4月13日~15日)の3日間です。ただし企業によっては他の休みなどを移動させたり調節して長めに休暇を取るところもあります。ただし国王誕生日(12月5日)や王妃誕生日(8月12日)は動かすことは出来ないので会社の管理者の方はご用心。

タイ国民と宗教

タイでは国民の多くは仏教徒ですが日本の仏教徒は大きく異なる「南方上座部仏教」を信仰しています。日本などで信仰されている「大乗仏教系の諸宗派」とはかなり趣が違います。会社員の男性が出家など(他には兵役)のために休暇を取ることも出来ます。タイの男性は出来るだけ一生うちに一度は出家することが理想とされているからです。また宗派・宗教により食べ物に制限がある場合がありますから注意しましょう。仏教とはもちろん、イスラム教徒でも普段の生活では普通の服装をしている人が多いのです。仏教徒でも常日頃から菜食という人は少ないですが、よくあるのが「牛肉は食べない」という人。また一定期間菜食をしたり(「斎(タイ語でジェー)」と呼ばれる習慣です。)事も広く行われています。

宗教に関するタブー

タイで信仰されている上座部仏教の僧侶には厳しい戒律が223も課されています。日本人には意外なことですがその戒律の中に「肉食の禁」はありません。タイの僧侶は信者から寄進された食べ物であればなんでも食べることが出来ます。逆に女性に触れることや昼以降に食事をしないこと、お酒を飲まず音曲を楽しまないこと、そしてお金に手を触れないこと、などの禁があります。このため日本の一部宗派の僧のように結婚してお酒も飲み、夕食を摂るような僧はタイの僧侶から認められません。また女性の方はタイの僧に手を触れることは決してしてはいけません。これは僧にとって最も重大な戒律違反になりますから。また同様に観光客の訪れる寺で肌を多く露出したファッションで入るのも僧に対して悪影響を及ぼすので禁止されるのです。王宮寺院の場合はそのような場合に上に羽織る上下の簡単な服を用意しています。

気候

タイは熱帯ですので基本的には日本より暑いです。ざっと分けて11月から2月が乾季(寒季、冬ですね)、3月から5月が暑季(一番暑い季節です)、6月から10月が雨季で、乾季と暑季は昔は雨がほとんど降りませんでしたが最近は雨が降る日もあります。また雨季にはスコールが特に夕方から夜にかけて降るので朝晴れていても傘は必須です。暑季のタイは日差しが強いため外出に際しては帽子か日傘を使うのが良いでしょう。それでなければ日焼け止めを塗るなどの対策をしないと半日外を出歩くだけ真っ赤に日焼けしてしまいます。

また、気温が高いことは体の新陳代謝を活発化させるために日本に住んでいるときよりも爪や髪、そして鼻毛などの伸びるのが早くなります。また直射日光が強いので外出の際は露出している素肌のケアをきちんとしましょう。また自分で運転される方はサングラスの着用が必要です。長時間の裸眼による運転はのちのち白内障や緑内障の原因となります。

電気の規格

家庭の電源は240Vです。日本から持ってきた家電、AV機器で100Vのみに対応している物を使うには変圧器が必要になります。それぞれのアダプターに「100V~240V」と書いてあるものならばそのまま利用が可能です。コンセントの形は日本と同じです。変換コネクターは不要です。

バンコク市内の停電は昔に比べてかなり少なくなりました。ただし電力低下はしばしば起きるようです。電力低下によってそれまで使えていた電気機器が使えなくなる場合がありますのでご注意ください。パソコンのデータのこまめなセーブは基本です。

冷房

タイのホテルや乗り物(BTSや遠距離バス)では日本では考えられないほどエアコンが効いている場合はあります。ホテルの部屋の温度は部屋に入ったところですぐに自分で調節しましょう。遠距離バスで出かける場合はカーデガンなど上に羽織るものを用意した方がいいですね。冬場(11月から1月)の場合はジャンパーでも構わないくらいです。またタイのエアコンの温度調節は設定してあっても外気の温度によって上下することが多いので要注意。同じ温度設定にしてあっても、例えば昼間と雨の降った夜では室内温度がかなり変わります。これは風邪を引いたり、お腹を壊す原因になります。

害虫

生活に身近な害虫は蚊です。バンコクでも日本とは比べ物にならないくらいの蚊がいます。こうした蚊はデング熱やマラリアといった伝染病を媒介しますので殺虫剤や電気蚊取りなどは用意しておきましょう。他に多いのは蟻で室内には高い階でも侵入してくることがあります。蟻の種類によっては人を咬む事があります。咬まれた場合は速やかにかゆみ止めの軟膏などを塗りましょう。また時折アパートやコンドミニアムでも白蟻の害に合う場合があります。木製の部分に細かい粉末が沸いてきたら要注意です。

交通ルール

タイは人が右側、車が左側通行と日本と同じですので違和感ありません。ただし交通ルール上、交差点では概ね車の左折は信号に関係なくOKですので道を渡る際は気をつけましょう。またタイは基本的に車優先社会ですので横断歩道を渡る際も左右の車によく注意してわたることが必要です

交通機関

バンコク市内には高架鉄道(BTS)や地下鉄(MRT)がありますが、路線が限られているためにタクシーを多く利用する必要があります。しかし日本のタクシーとは異なり初乗りが35バーツ(約100円)と安く、市内の端から端まで行っても800円もかかりません。地理に慣れてきたらバスなどを使っても良いでしょう。

乗り物に乗るのに毎回交渉が必要だった以前とは違い「METER TAXI」と表記のあるタクシーなら交渉は不要なので安心です。市内を走る3輪タクシー(トゥクトゥク)は値段交渉が必要なので気をつけてください。またメータータクシーでも乗車した際にメーターを稼動させない運転手がいたりしますので注意が必要です。通常は乗車後にボンネットの真ん中にあるメーターに「35」と赤く数字がつくので念のため確認しましょう。

格安の乗り物になるバスは路線が複雑で普通の人には使いにくいものですが(行き先表示はほとんどタイ語、少し英語表示のものがある程度)最近は日本書店で在留日本人によってで編集された日本語のバス路線ガイドが販売されていますので参考にしましょう。ただし所要時間はタクシーでの移動の1.5倍から2倍はかかる場合がありますので注意が必要です。

銀行

銀行の営業時間は普通は朝8時半から午後3時半で、土日は休みです。ただしショッピングセンターの中に入っているような支店では午前10時から午後6時といった営業時間も多く、また365日営業もしています。銀行のキャッシュカードの機械は「24時間365日」稼動です。他行のカードも利用可能ですが、1ヶ月に他行のATMを5回使うと5回目から手数料が発生したり、口座のある県とは違う県で利用すると手数料が発生する、といったケースがあります。

チップ

タイでもチップの習慣はあることはありますが欧米のように厳密なものでもなく、ホテルでのベッドメイキング用などを除けば食事のときなどは支払いの金額に応じて「釣銭は要らないから」程度の感じだと思えばよいでしょう。安い一膳飯屋などで小額の食事をしたときなどは別にはらう必要はありません。

水・飲料

タイの水道水は水質に問題があるためそのまま飲用には適しません。飲む水は店で購入したものや、街中に設置されたUV殺菌されたものにしましょう。(ただし後者は元の水質が悪いと匂いなどがある場合があります。)中には歯磨きに購入した水を使う方もいるそうですがそこまで神経質になる必要は無いのではないかと思います。

タイでは各種の飲料が売られており緑茶系飲料なども数多くありますが、日本では考えられないほど全般に「甘い」ので注意が必要です。市販の緑茶系飲料もほとんど甘いものです。またファーストフード店のドリンクなども日本よりも甘く、濃かったりするので覚悟が必要です。

コンビニ

タイではコンビニエンスストアチェーンが日本並みに発達しています。セブンイレブンが最大手で他にファミリーマートやampmなどがあります。地方にいっても大抵のところにはコンビニが24時間営業しているので便利です。ただし日本のように弁当やおかず関係は多くありません。(一部メーカーの冷凍のパックをレンジで暖めるような感じです。)

日本食の食材

自炊で日本食を作る場合など、バンコクでもフジスーパーや伊勢丹・エンポリアムの中のスーパーマーケット、日系スーパーのジャスコなどに行けば日本製の食材がたいてい手に入るので不自由はしません。ただし輸入物ですからどうしても割高になるのは覚悟しなければいません。極度に味を気にしなければ醤油、味噌、納豆、豆腐などはタイで製造しているものが安く手に入ります。

お酒

タイでは仏教界の力が強く、仏教的道徳観などからお酒の販売、飲酒について制限があります。お酒の販売が許可されている時間帯は 11:00~14:00 と 17:00~24:00 です。ただしレストランなどでこの時間帯以外にお酒を提供することはできます。また国王誕生日(12月5日)、王妃誕生日(8月12日)や仏教の祭日には酒類の販売ばかりでなくレストランでの提供も全面禁止になります。

飲酒

タイでは日本のように深酒をして道端に嘔吐するような行為はあまり見られません。恥ずかしい行為はしないようにしましょう。逆にタイ人は長年の習慣で飲酒をしていても平気で運転をします。(地位が上の人でもそうです)とはいえタイでも徐々に飲酒運転に対する啓蒙と違反のチェックが厳しくなっていますので同行の運転手には飲酒はさせないようにしましょう。

タバコ

タイの多くレストラン、事務所、ビルなどは禁煙になっているので愛煙家には厳しい社会です。会社の事務所でも「喫煙は外」というところも多くなっています。またタクシン政権時代にタバコの箱の絵柄に「一目でタバコを吸いたくなくなるような写真」を採用させ、コンビニでの販売も「表からは見えないよう」に展示されています。(しかし普通に買えます)

麻薬

タイでも大麻、覚せい剤などの麻薬と麻薬要物質の売買、使用は禁止されています。この手のものの摘発には「密告」が常套手段として使われており、売り手がその足で密告して買い手を逮捕させるといった行為を行われますので手を出すのはいけません。バンコクのディスコ街やパタヤなどの歓楽地では特に誘惑が多いそうですが逮捕された場合は最悪帰国が出来なくなります。実際に逮捕されたケースで収容先を地方の収容所に頻繁に変更されて弁護士も身柄を見つけるだけでも一苦労したという話もあります。皆さん絶対に手を出さないでください。

賭博

タイ人はカード、ムエタイ、サッカー、闘鶏、闘魚など色々な賭け事を行っていますがタイで公に認められている賭博はバンコク市内の2箇所の公営競馬上で行われる競馬のみです。それ以外で行われる賭博は違法になりますから注意しましょう。どうしても賭け事を楽しみたいのであればカンボジアのタイ国境の町ポイペトにある公営カジノにいくのも手です。(これはカンボジアの法律で合法です。)

コピー品・禁制品

タイではまだまだコピー品が幅を利かせています。これはブランド物の装飾品・時計・バッグなどからパソコンソフトに至るまでです。こうしたコピー品は日本への帰国時に税関で見つかれば没収措置をとられますので注意してください。また土産物屋で販売している昆虫の標本の一部や象牙などもワシントン条約の禁制品に指定されているものがありますので注意が必要です。

ペット

タイではチャトチャック市場(ウィークエンドマーケット)などあちこちで可愛い犬や猫を販売しています。これらを飼った後に日本に持ち帰ろうとすると検疫の関係もあって非常に複雑で時間のかかる手続きを踏まないといけません。また販売されている中にはスローロリスや魚のアロワナなどやはりワシントン条約で禁止されている動物もいますのでこういうものの購入は控えましょう。

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バンコクの治安

安全にバンコクを楽しむために

タイは「微笑みの国」と称され、また親日国でもあり、日系企業も多く日本人在住者が多数、そして日本と同じ仏教国という色々な印象が重なって「タイは安全」という神話が情勢されているように思います。しかし実際は「在タイ国日本国大使館」(http://www.th.emb-japan.go.jp/)の「治安情報」に「日本の数倍の割合で殺人、強盗、強姦事件等の凶悪犯罪やテロが発生している。」と書かれているように一般に思われているほど安全ではありません。タイだけではないのですが「海外で(短期間であれども)生活する」ということは日本国内にいるのとは異なり「自分の身は自分で守る」という大原則が重要になってきます。まずは皆さんにそのことを心に刻んでいただきたいですね。

以下は、タイでの犯罪の具体的な例を挙げてみます。

盗難

盗難にもいくつか種類がありますが、まずアパートの室内からの盗難のケース。多いのはそのアパートで働いているメイド、警備員というケースで、アパートの他の住人とのコミュニケーションで変な噂が無いか日ごろから注意しておくことが必要です。必要に応じて自室のドアに自分だけの鍵をつける、というのも方法です。タイ人のアパートでは普通に行われていることです。

道端では引ったくり、特に最近はバイクですれ違いざまにバッグをひったくるというケースが多発しています。中にはカバンを守ろうとして引きずられて怪我を負った、ということもあります。道を歩くときも前後に注意は必要です。特にATMからお金を引き出した直後を狙われるケースがあるのでそのような場合は特に警戒をしたほうが良いです。

変わったやり方として、車に乗った美女(実際はニューハーフのケースも多い)に「道を聞かれて」助手席に座ったところでひざ上に広げられた地図の下で手に持っていたバッグをナイフで切られて中身を盗られた、というものもあります。男性の心理をうまく付いた古典的な強盗です。そもそも道を尋ねるのに外国人に尋ねるほうがおかしいのですからこういうケースははなから疑ってかかるべきでしょう。

また睡眠薬強盗も多いですね。美女に誘われて食事をしたら眠くなって、というから女性の胸の先端に薬が塗ってあったのでは?というケースもあるそうです。この手の誘惑の数はバンコクは非常に多いですが、いきなり「行きずりの女性と」というのはリスクが高いことを肝に銘じておくべきでしょう。

殺人

タイの地元の新聞を読んでいると毎日のように殺された人の写真が載っているのからも分かるようにタイでは決して殺人は少なくありません。刃物はもちろん、銃も合法、非合法を含めて市中に多く出回っています。これらが凶器となる可能性は常にあるわけです。ラチャダーの繁華街で泥酔した大物政治家の息子が警察官を射殺した、などという事件がありましたが盛り場でのトラブルは一線超える場合がありますので要注意です。

数年前に日本企業の多く入居する工業団地で日本人の工場管理者が銃で撃たれて重症を負うという話がありましたし、従業員の休暇の理由を聞いたら配偶者が銃で撃たれて入院しているから、などという話も結構聞きます。常日頃からタイ人の恨みを買わないようにすること、どうしても社内の荒療治(特定利権や不良社員の排除など)が必要な場合は会社とも相談して身辺の安全を確保する、ということも視野に入れる必要があります。

詐欺

古典的ハウツー本「地球の歩き方」にものっていて古典的手法なのに絶えず被害者がでているのが「カード賭博詐欺」です。このケースでは実際に筆者の知り合いが被害に会ったので具体的な手口を述べて見ましょう。

彼女がファッション先端地のサイアムを歩いているとかなり日本語を話せるタイ人から「あなたは日本人じゃないですか?」と声をかけられました。彼の妹が日本に出稼ぎに行っていて、「母親が家で心配しているので日本の話を聞かせてあげて欲しい」といって彼の家に連れて行かれたそうです。ところが家には母親はおらず、父親と称する男性がおり、「俺は(違法)賭博場でカード賭博のディーラーをやっている。あなたにもイカサマの方法教えてあげよう」と「イカサマ」の方法を伝授してくれました。
そこに(都合よく)現れたのが(東南アジアでも原油産出で裕福で有名な)ブルネイ人の男性。父親はここで「教えてあげた方法で彼をカモにしよう」といい、即席のカード賭博を開帳。イカサマのおかげもあって彼女は勝ちまくります。「これが最後の勝負」とカードを配ったところで父親は「お前のこれまでの儲けを実際にもらうにはこの勝負で掛け金と同額の『現金』を見せ金として積まなければいけない。」「配ったカードはイカサマのおかげもあって勝ちに間違いはない。お前が金を用意できれば相手の金を全部もらえるんだ。なんとか用意できないか?」欲ボケというだけではくここまでの雰囲気に飲まれてしまって「お金を用意しなきゃいけない」という気持ちに追い詰められた彼女は国際キャッシュカードとクレジットカードを使って70万円以上のお金を引き出して「父親」に渡したんですが「まだ足りない。なんとかしろ」といわれ続け、やっとホテルに戻ってきたところで筆者の下に電話をしてきて「これもしかして詐欺か何かですかねえ?」と聞いてきた訳です。
この時点でまだ彼女の中には「もしかしたら詐欺?」というくらいの意識しかなかったのが現実でした。それだけ巧妙に「その世界」に巻き込まれてしまったわけです。「そんなのは100%詐欺以外の何者でもない!」と筆者が話をしたんですが今度は「ホテルのロビーに仲間らしき男が見張っている…」というので筆者の知り合いの腕っ節の効く人間らと救出作戦を敢行してホテルの裏口から連れ出してツーリストポリスに通報、同行してくれた弁護士の話もあって翌日を待って犯行が行われたと思われるマンションを探したんですがいかんせんバンコクに不案内の彼女の記憶をたどってもたどりつくことが出来ませんでした。

このケースではまず第一に「男性に誘われてホイホイ付いて行く日本人女性」というところでもうアウトです。こんなノーガードだと襲われて身包みはがされた上で殺されてもおかしくはない話ですからね。幸い犯人たちの目的は「金」だったので命に別状が無かったことだけが良かったことでしょうか?「日本語が話せる」というだけで相手を信用してしまうようでは自己防衛能力に欠けると言われても仕方が無いでしょう。逆にそういうケースこそ一番警戒しなければいけないところなのです。一度彼らの土俵に引き込まれてしまえば上のケースが示すように雰囲気に呑まれて正常な判断が出来なくなります。ですから最初に「断る」ことが重要なのです。

麻薬

現在でも数人の日本人が留置場や刑務所で「麻薬売買」にかかわった犯罪者として母国への帰国もままならない状態に置かれています。タイでは麻薬の取り扱いは重大な犯罪です。しかし盛り場などで大麻や覚せい剤が出回っているのも公然の事実。結局は本人がどれだけ己を律して罪に手を染めないで済ませるか、ということです。麻薬の場合では警察が摘発のために「密告」を奨励しており、売人が販売した後にその足で警官に密告して買った人間を逮捕させて密告の情報料をせしめる、というのはもう定番といってもいいやり方です。

基本的にそういうものの流通している場所(繁華街のディスコなど)に近づかない。そういう場所に行って他者からの誘惑があったとしても断じて「使わない」「買わない」で通すこと。無事に日本に戻ることを考えたらこの程度はやりとおして当然ということです。

睡眠薬強盗や詐欺、麻薬で総じていえるのは「向こうから声をかけてくる人間は疑ってかかれ」ということです。特に「日本語で話しながら観光客に近づいてくる」タイプのタイ人は最も警戒しなければいけない相手だということを肝に銘じてください。それを注意するだけでもバンコク滞在中の安全の確率は大幅にアップするはずですから。

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