就職活動 in バンコク
世界でもタイほど現地で採用されて仕事をする(以下、現地採用と呼びます)日本人が多い国は世界でも珍しいのではないかと思います。その理由は、1)駐在して仕事をする日本人が多く、その中にタイに惹かれてタイで続けて仕事をしようとする人が出てくる、2)観光客としてタイに惹かれてそのまま住んでしまい仕事をする、という2つに大別できると思います。タイで仕事を探す際に前者と後者では探し方も少し変わってきます。タイで自らの仕事場を探したい、と就職先を探す場合は概ね以下のような方法を採ることになります。
縁故による採用
ここでいう縁故は友人関係や昔の取引関係などを利用した就職ということで、主に前者の元駐在員が行う就職の方法です。タイ駐在時の自らの取引先や関係先に自らの実績と経験を売り込んで就職するもので、長所は業務内容が分かっていることが多く、また特別に日本採用として駐在員の扱いにしてもらえるケースも往々にしてある、ということでしょう。ただしよく知った会社とはいえ、外から見ているのと中に入ってみるのとではやはり落差がありますし、このケースは相手の会社に認めてもらえる実績(営業や技術)がないといけないというのがハードルでしょう。
変わった「縁故」としては仕事上では付き合いはなかったが、仕事外のオフの時間(飲みや遊び)で付き合いがあってその会社に引かれた、というケースもままあります。駐在時代から常日頃付き合う人の幅を広げている人にこういうケースが多くなります。
人材紹介会社の活用
上に挙げたような縁故のない場合は多くが人材紹介会社に依頼して職場を斡旋してもらう、という形が多くなります。タイには日本人が経営する日本人向け人材紹介会社が40社以上あります。こうした会社に登録をして、求人をしている会社を紹介してもらい、面接を受けて合否を待つ、というパターンがタイでも一般的です。
以下、タイで営業している人材紹介会社を一部紹介しておきます。
パーソネル・コンサルタント・マンパワー(タイランド)
タイでも老舗かつ規模の大きい人材紹介会社です。
ホームページ:http://www.personnelconsultant.co.th/
アデコタイランド ジャパニーズ部門
世界的に展開している人材紹介会社のタイ国内日本人部門。タイ国内に5支店構えています。
ホームページ:http://japanese.adecco.co.th/
JAC Recruitment
世界に展開する人材紹介会社のひとつで他国への転職支援も行っています。
ホームページ:http://www.jac-recruitment.co.th
ワイド・スプレッド・インタートレード・リクルートメント
タイで14年以上の実績を持つ老舗の会社です。
ホームページ:http://www.wsjob.com
M&A Consultants Recruitment Co., Ltd.
ホームページ:http://www.m-agroup.com/
ベスト・スタッフ・リクルートメント
ホームページ:http://www.beststaff-bkk.com/
日本コンサルティングリクルートメント
ホームページ:http://www.ncrecruitment.com/
応募から採用までの流れ
実際の申し込みから採用までの流れは大体以下のような形で進みます。(会社によって異同はあります)
1. 登録申し込み(ネット経由or人材紹介会社事務所で書面に記入)
2. 人材紹介会社スタッフと面談
3. 人材紹介会社が顧客企業に紹介、
4. 相手企業の事務所で本面談
5. 人材紹介会社を通じて「合否」連絡
6. 合格であれば出勤日を決定、また労働許可証申請の予定を確認
7. 約束の出勤日に出勤へ
就職活動における注意すべき点
履歴書を綺麗な字できちんと書くこと
あまりにも初歩的なことですが、タイに観光できて定着し仕事を探す、という人の中にはその基本的なことが出来ない人が多く見られます。会社の人事担当者は最初の入り口からふるいにかけていますから履歴書は必ず綺麗に書きましょう。パソコンであれば出来るだけ項目の漏れが無いように記入しましょう。
面談は最初の印象で決まります
求人している会社との面談の際にきちんとしておけば人材紹介会社にはラフな格好で行って構わないだろう、という方が見られますが、就職の面接の第1歩は人材紹介会社との面談から始まっています。ここで好印象を与えた人ほどより早く、よりいい会社に紹介してもらえるのですから最低限度のきちんとした格好をして訪問しましょう。もちろん相手の会社との本面談はなおさらです。本面談には出来ればスーツ、それがなければズボンにきちんとしたワイシャツとネクタイは必須です。サンダル履きなどもっての他です。(嘘のように思うでしょうが面談の場にTシャツ、サンダルで来た求職者も実際にいます。)
自分のやってきたこと、やりたいことをきちんと説明できるよう整理しておく
タイに進出してくる会社はまだまだ増えていますし、求人も増えつつあります。しかしその中で企業の欲するニーズと求職者のニーズが合っているかどうかは紹介してもらうための重要なポイント。自分の希望する業種や職種など第1志望だけで無く、第2志望くらいまではきちんと頭の中で整理しておきましょう。第1志望だけで「要望と合わない」とされないためです。
転職歴についても担当者は必ずチェックしています。短期間に頻繁な転職をされている方は必ず理由を聞かれると思ってください。就職に成功した場合は出来るだけその会社でがんばってみましょう。
観光・長期滞在から転じて就職を希望する方の中には第一歩のところで躓く方も多く見られるので気をつけましょう。企業がタイに進出してきて現地採用者に求めるのは「タイ語のスキル」だけではなく、「社会人として即戦力」の力を求めています。最低限度の社会常識を持たないと就職に不利になるのはタイでも同じです。特に近年求められている人材のレベルもアップしていることを頭に入れておきましょう。
通勤可能範囲を決めておく
また現在人材を必要とする日系企業の多くがバンコク市内よりむしろ地方(アユタヤ、チョンブリ、ラヨンなど)などにある工場で働ける人を募集しています。パトゥンタニやアユタヤの一部の工業団地、チョンブリのアマタナコン工業団地くらいまでであれば会社の車によるバンコクからの送迎がありますが、ラヨンなどになるとラヨンかシラチャに住んでそこから通勤ということになります。求職にあたって「地方勤務可能」であればより就職出来る機会を大きくすることが出来ます。
労働許可証
中には安い給与レベルの維持のために労働許可証を発給せず仕事をさせる会社もありますが、出来る限り「労働許可証(ワークパーミット)」の発行手続きをしてくれる会社を選択しましょう。(人材会社で紹介してくれる会社は問題ないと思います。)労働許可証不携帯で仕事をすることはタイでは禁止されています。労働許可証の申請には前もってビジネスビザ(Bビザ)の発行が必要になりますが、これは日本に行かなくてもラオスなどの周辺諸国でも発給可能です。費用は日本より安く、期間も短くて取得できるので便利です。