タイの教育 – 大学進学編
タイにおける国民への教育は、ラーマ5世の治世であった20世紀前半から急激に需要が高まりました。それ以前は、勉学は僧侶や貴族だけのものであったため、識字率もとても低い物でした。しかし今日のタイでは法律において満6歳から満15歳までの9年間の基礎教育が国民の義務とされています。2008年のユネスコの推計においてはタイ青年の識字率は98. 2%となんら問題のない水準となっています。今現在のタイ、特にバンコクはアジアの中でも香港やシンガポールに次いで、教育熱の高い地域となっています。
タイの教育制度
タイの教育制度は日本で言う6−3−3−4制とほぼ同じです。義務教育後の高等教育(日本でいう高校にあたる教育)の在学率は、68%と日本と比べるとあまり高くはありません。また高校から大学への進学率は30パーセントほどです。日本の大学進学率は50パーセントなので、現在は低い進学率ですが、これから更なる経済発展とともに大学進学率も上がるだろうと予想されています。
タイ在住日本人の大学進学
日本人の子弟は、日本から進出している大手進学塾で日本での学習を行い、中学や高校から日本に帰国するケースや、現地の教育システムに沿って現地の大学へ進学するケースなどが多いです。
その他、インターナショナルスクールに通って、イギリスやヨーロッパ、アメリカか日本の大学に進学するケースもあります。しかし インターナショナルスクールは、タイが認可する教育ではないために卒業してもタイの大学に進学する事が出来ません。タイの大学へ進学するには「大検」に相当する「ティアップタオ」という試験に合格して大学受験資格を得る必要があります。しかし、学校外の認定スクールがあり、そこで認定されると「ティアップタオ」を受けなくても大学受験資格を得る事が出来ます。なので、インターナショナルスクールに通いながら無試験で大検認定を受けられる「ゴーソーノー」に通う人達もいます。
大学選びと卒業後の展望
タイには22校の国立大学だけでなく50校以上の私立大学が設置されています。またタイでは科学技術分野の向上に力を注いでおり、この分野においての雇用も大きく増えると見込まれているので、学生の専攻は科学技術分野に人気が集中しているようです。
卒業後の就職を考えて大学選びをするのであれば、私立大学よりも国立大学を卒業している方が就職では有利です。また就職先では学歴により給料の差があるのはもちろんですが、「学閥」といった出身校による待遇の違いなどもあるようです。国立大学の中でもチュラロンコン大学・タマサート大学・カセサート大学の三大学は別格とされ、卒業生はエリートとして活躍する事が約束されているようです。チュラロンコン大学はタイで一番の大学とされていて、大学世界ランキング121位にランクされた事があります。
こういった卒業後の就職先や待遇などを真剣に考える学生は、将来のために国立大学に進学し MBA の学位を修得したり、さらなる外国への留学を目指して必死に勉強しているようです。優秀な学生は最終的にヨーロッパやアメリカに留学する事が多いようです。
いずれにしても、タイで大学進学を決めたなら、どの大学に入るかはとても大切なので、受験勉強がとても大変なのは日本と変わらないようです。