バンコクで日本の食品を買う

日本食の食材をバンコクで購入する。これが20年以上前でしたらバンコクからシンガポールに買出しに行く人もありましたがすでに昔の話。今ではスーパーマーケットやデパートの食品売り場が充実しており、余程こったものでない限りは大体購入が出来ます。ただしどうしても日本のものを、ということになると当然割高になります。そこでここではタイの現地で作られているものも含めてご案内しましょう。下に行くほどより専門的なものが入手可能になります。

タイの地元密着型の店

調味料

先日日本から来た知人とタイの田舎を歩いていたら周りから「アジノモト(もちろん味の素のこと)」という囁きが聞こえてきたほどタイでも日本発の調味料として一般化している『味の素』はもちろん、すでにタイでポピュラーになり独自の進化をしている「寿司」(タイでは街中で1個5バーツ(約15円弱)で販売)につきものである『醤油』もかなり一般に浸透しています。これを後押ししたのがタイで味の素が発売した「タクミアジ(匠味)」ブランドの醤油。生醤油のほかに照り焼き用、炒め物用の3種類がでています。これもタイの一般の雑貨屋でも購入できます。

野菜

野菜は「似て非なるもの」が多く、市場や街中の普通の店で『玉ねぎ』、『にんじん』、『大根』、『じゃがいも』、『えのき』(けっこうポピュラー)、『しいたけ』、『トマト』、『キュウリ』、『ニンニク』、『しょうが』といったところは購入が可能です。ただタイの野菜は全般にサイズが小さいのが特徴です。特に『大根』、『たまねぎ』、『トマト』などがそうです。
また『キュウリ』はあるのですが、日本のような長い『キュウリ』は普通は見かけません。長さが7,8センチの寸づまりの太い『キュウリ』が一般的です。また『ナス』類(色々種類があります)はタイではタイ料理に良く使われますが、日本人が良く使う紫色の『ナス』は市場ではなかなか見つかりません。主として使われるのは緑色の長い『ナス』ですが、青みが強く日本の『ナス』の代用にはあまり適しません。(炒め物がかろうじてなんとかなる、というレベル)

魚ではタイで『プラトゥー』といわれている魚が日本の『アジ』に酷似しており(ただしゼイゴがないので別種)『アジ』同様に料理できます。また市場などで『サバ』も売られています。『サバ』を焼いたものに甘い醤油のソースをかけたものが『サバステーキ』として「日本料理』としてタイでは一般化しています。

お菓子

タイにはグリコ、ロッテが工場を持っており、そのためグリコの『ポッキー』、『コロン』、『プリッツ』、ロッテの『ガム』類、『こあらのマーチ』などはタイのローカルな店でも普通に売られています。特に『プリッツ』にはタイ独特の『ラープ味』(タイの東北地方の郷土料理の味)があって日本への土産に珍重されています。

その他

『豆腐』はチューブ入りのものが普通に売られています。こだわらなければ安いこの豆腐をどうぞ。ただし色が黄色いものは『卵入り豆腐』です。中華風やタイ風のスープに使うにはこれが美味しいです。

ローカルのスーパーマーケットロードサイドショッピングセンター

タイのローカルスーパーマーケットの「TOPS」は何故か日本食食材の品揃えがそこそこあります。またロードサイド大規模ショッピングセンターを展開する「TESCOロータス」、「カールフール」もそれなりの品揃えがあります。

またシーロム、スクンビットなどに展開する「VILLA MARKET」チェーンも外国の食材が方ですが、メインは西洋人向けの品揃えになっており日本の食材は少し弱くなります。しかしその分チーズやワインの品揃えは非常に充実しています。

調味料

調味料ではこういった店でも『キッコーマン醤油』は扱っており、他に味噌や料理用の混合調味料や固形のカレーのもと(『バーモンドカレー』他)などもあります。また『TOPS』の一部の店舗ではタイで作られている安価な味噌(タイでは○賢マークやサクラブランドの味噌が製造販売されています。)が置いてあります。味は余程こだわらなければ問題ない程度。

野菜/魚/お菓子/その他

野菜についてはあまり市場のものと種類は大差ありません。
この手の大型店になると魚売り場には『鮭』が普通に売られています。また店により生の『ししゃも』も安価に売られています。タイでよく使われている「エビコ」はこの『ししゃも』の卵を着色したものです。お菓子は「TOPS」を始めとして日本から輸入してきたものを併せて販売しており、少し充実します。

なぜかわからないんですが「TOPS」ではタイ製の『納豆』を置いている店が多いです。(市の中心から離れた店舗でも)価格は非常に安いです。ただしこの『納豆』は出来不出来があり糸を引かない場合もけっこうありますのでご用心。また「TOPS」では四角い豆腐も扱っています。

日系スーパー、デパート

タイではスーパーマーケットでは日本食専門スーパーの「UFMフジスーパー」が計3店舗、大手スーパー「イオン」の現地法人が「ジャスコ」(現在店舗を「マックスバリュー」へ順次改装中)を数店舗展開しており、他にタイでは老舗のデパート東急(マーブンクロンセンター内)、そして伊勢丹デパート、さらに繁華街にある大型でパートであるエンポリアム、サイアムパラゴンなどに店舗を展開する「GOURMET MARKET」などが日本の食材を取り扱っています。この中ではジャスコ(マックスバリュー)の品揃えが一番弱く、さらにスクンビットソイ71にあるプラカノン店以外ではさらに品揃えが弱くなります。

それ以外の「フジスーパー」や「伊勢丹」、「GOURMET MARKET」などになると入手できないものはないくらいの品揃えになります。特に野菜の中で『長ネギ』、『里芋』、『ほうれん草』、『ゴボウ』、『ヤマイモ』(季節によりない場合があります)が普通に入手できるのはこのクラスの店だけです。中でもフジスーパー、伊勢丹やサイアムパラゴンの「GOURMET MARKET」などは店舗の周囲に専門の「惣菜屋」や「甘味処」などが店を開いているので自分で料理しなくて持ち帰って食べることも出来ます。

番外編

意外なところでは、タイで広くチェーン展開している「DAISO」の一部店舗で日本向けの『ウスターソース』や『出汁入り調味料』なども販売中。もちろん価格は一律60バーツ。またタイではパンの「山崎」が幅広くチェーン展開しており、多くのショッピングセンターやBTSの駅などに店舗を開設しており、パンのみならず『どら焼き』、『大福』、『みたらし団子』なども販売しています。また『たこ焼き』も安価な日本料理としてチェーン展開されていますが味の方は日本人にはどうか?という感じでしょうか。本格たこ焼きではラチャダピセーク通りのエスプラナードに「築地銀だこ」があります。

ことほど作用に日本食用の食材を購入するのに便利になっているバンコク。とはいえ便利な分割高になっていることにはご注意を。「メイド・イン・タイランド」の食材で代用できるところはするだけでも家計の負担は減らせますから一度試してみては?